読切小説
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関ケ原
毛利輝元(47)が野心家で策略を得意とするのは、とっくに気づいていた。しかし今回は油断したわい。わしが会津征伐で上方を離れた隙をついて、西軍を挙兵させおって。
こうなるとわしも受けて立たざるを得ん。関が原で決戦じゃ。
男女を問わずアレをやることが大好きなわしは、正室側室合わせて6人の女どもに子供を産ませた。子供は13人じゃが、行く先々でもやったので、ほかにもいるじゃろう。
その子供たちを、主だった武将たちと婚姻関係に持っていったのが、こういうときに役立つ。皆、味方についてくれるじゃろう。
それに井伊直政(39)のように、衆道で手懐けた家来も、何人かおるからの。命がけで戦をしてくれるじゃろう。
うん?石田三成(40)が西軍の最前線か。三成もやたら優秀な官吏なだけに、輝元に利用されおったか。生真面目な性格が災いしたようじゃ。三成はわしの好みで、お互い憎からず想っていたが、敵同士となると情けもかけ辛いのう。
輝元は案の定、西軍の総大将でありながら、大阪城に閉じこもって高みの見物か。おそらく戦に負ければ、首謀者は三成だと押し付ける積りじゃろう。
しかしこんなことは想定の範囲内じゃ。わしも前もって工作しておいたからの。
まずは毛利の家老、吉川広家(38)じゃ。以前、この男のために領地を取り戻してやったことがある。武骨な男だけに、わしに受けた恩を忘れないじゃろう。それに、もともと現在の処遇に不満を持っていたからの。戦が始まっても、じっとして動かんじゃろう。
そうなると輝元の養子、秀元(20)も問題外じゃ。なにせあれは広家の言いなりじゃからの。
問題は小早川秀秋(18)じゃ。この男、若いのに切れ者で、参謀たちもしっかりしている。見かけは柔じゃが、敵に回すと手ごわい。
この男には最後の手を使った。わしは今57歳じゃが、あちらのほうは元気でのう。1年ほど前、この男を有馬の湯に誘って、手籠めにした。
「ああっ――家康殿、お戯れを――」
「ふふ――ちょいと、いいではないか」
「あ、こんなこと――だめ――」
「おお、秀秋殿はきれいな肌をしているのう。ささ、力を抜いて」
「ああん、そんなところを舐めて――」
なんてやり取りがあって、わしは秀秋をモノにした。それに秀秋も、わしのようなでっぷり肥った年配の男が好きなようじゃった。まあ、関ケ原の合戦では、わしのほうに寝返ってくれるじゃろう。



――と言う訳で、わたしの前世は徳川家康という妄想でした。
21/03/19 12:02更新 / サンタ

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